【大井町の矯正歯科】過蓋咬合(深い噛み合わせ)とは? 顎関節・歯への負担と矯正で改善できること
【著者】木村 絵美子(きむら えみこ)
花矯正歯科 大井町 院長・歯学博士 | 日本矯正歯科学会認定医 / 口腔外科学会認定医

「上の前歯が下の前歯にかぶさりすぎている」「笑うと下の歯がほとんど見えない」——そのような状態を過蓋咬合(かがいこうごう) と呼びます。見た目の問題だけでなく、顎関節・前歯・歯周組織への慢性的な負担が生じるため、放置すると口腔の健康に影響が出るケースがあります。大井町駅から徒歩3分の花矯正歯科では、お子様~大人の過蓋咬合の矯正治療を一貫して対応しています。
目次
目次
- 過蓋咬合とはどんな状態ですか?
- 過蓋咬合が引き起こす健康への影響
- 過蓋咬合の主な原因
- 矯正治療で改善できること
- 放置・不適切な治療が招くリスクと矯正用インプラントアンカーについて
- 花矯正歯科での治療の流れ
- よくある質問
- まとめ
過蓋咬合とはどんな状態ですか?
過蓋咬合とは、奥歯を噛み合わせたときに上の前歯が下の前歯を過度に覆っている(垂直的に深く噛んでいる) 状態です。正常な咬み合わせでは上の前歯が下の前歯の2〜3mm程度覆うのが目安ですが、過蓋咬合ではこれが著しく大きくなり、下の前歯がほぼ見えなくなることもあります。
自分が過蓋咬合かどうかは、鏡の前で奥歯を噛み合わせたときに下の前歯がどれだけ見えているかで確認できます。ただし、自己判断ではなく専門医による診査が必要です。
過蓋咬合が引き起こす健康への影響
過蓋咬合は「噛み合わせが深い」だけの問題に見えますが、口腔機能と全身にさまざまな影響をもたらすことがあります。
顎関節への負担
過蓋咬合では、奥歯でしっかり噛んだときに前歯にも過剰な力がかかりやすく、顎関節(こめかみの下にある関節)に偏った荷重が生じます。その結果、顎関節症(口を開けたときの音・痛み・開口制限)のリスクが高まることが複数の研究で報告されています(Khayat et al., 2021, Cranio)。また、顎の筋肉が常に緊張した状態になりやすく、頭痛や肩こりとして現れることもあります。
前歯・歯周組織への損傷
下の前歯が上の前歯の裏側(口蓋側)にぶつかり続けることで、歯の先端が磨耗したり、歯を支える骨(歯槽骨)や歯茎が下がることがあります。特に下の前歯が上の口蓋(上顎の裏側)に食い込む重度のケースでは、口蓋粘膜が傷つき、歯周組織のダメージ につながる場合があります。
歯の磨耗
噛み合わせが深いと、特定の歯に咬む力が集中するため、その部分の歯が通常より早く磨耗します。エナメル質が失われると知覚過敏や虫歯リスクの上昇にもつながります。
過蓋咬合の主な原因
過蓋咬合はひとつの原因から生じるものではなく、複数の要因が関係しています。
- 骨格的な要因:上顎・下顎の大きさや位置関係が生まれつき過蓋咬合を生じやすい場合があります。
- 歯の萌出異常:前歯が過剰に伸びる、または奥歯の高さが不足することで咬み合わせが深くなります。
- 歯の欠損:奥歯が失われたまま放置されると、前歯での噛み合わせが深くなることがあります。また、生まれつき歯の本数が少ない場合にも過蓋咬合が起こりやすくなります。
- 咬筋の過緊張:歯ぎしり・食いしばりの習慣が過蓋咬合を悪化させることがあります。
矯正治療で改善できること
過蓋咬合の治療では、歯の垂直的な位置を変えて噛み合わせの深さを適切なレベルに整え、本来の咀嚼運動を促すことが目標です。
治療でめざすこと
- 前歯にかかる過剰な力の分散
- 顎関節への負担の軽減
- 歯茎への慢性的なダメージの解消
- 咀嚼機能の改善
- 歯の磨耗の進行抑制
主な治療法
ワイヤー矯正(ブラケット矯正)
過蓋咬合は垂直方向の歯の移動が必要なケースが多く、歯一本ずつに精密な力のコントロールができるワイヤー矯正が有効です。前歯を圧下(骨の中に沈める動き)したり、奥歯を挺出(引き出す動き)したりすることで噛み合わせの深さを改善します。
マウスピース型矯正装置
軽度〜中度の過蓋咬合には、マウスピース型矯正装置でも対応できる場合があります。ただし、重度の場合や骨格的な問題を伴う場合はワイヤー矯正のほうが適していることが多く、診断が重要です。
どちらが適しているかは、精密検査(レントゲン・歯型・口腔内写真)の結果と患者様の状態によって判断します。
骨格的な問題が大きい場合
過蓋咬合の背景に骨格的なズレが大きい場合は、矯正治療単独では改善が難しく、外科的矯正治療(顎の手術と矯正の組み合わせ)が検討されることもあります。その場合は詳しくご説明した上でご提案します。
不適切な治療が招くリスク
不十分な診断や治療技術により、奥歯が意図せず引き出されて顔面高(顔の縦方向の高さ)が増大することがあります。これを防ぐため、当院では必要に応じて歯科矯正用アンカースクリュー(インプラントアンカー)を使用することもあります。
矯正用インプラントアンカーとは、直径1〜2mm程度の小さなチタン製スクリューを顎の骨に一時的に埋入し、歯を動かす際の「動かない支点」として使用する装置です。矯正治療の補助のみを目的とした一時的なもので、治療完了後に撤去します。*インプラント治療(人工歯根)とは異なります。
過蓋咬合の治療では、過蓋咬合がどこに起因するのか、上の前歯の位置の評価、奥歯の挺出(引きだす)が必要か等、診断が重要です。そして、治療計画通りに治療を進める技術と評価も必要となります。
花矯正歯科での治療の流れ
- 【初診相談】治療の相談・説明・概算費用のご案内。(60分1,100円)
- 【精密検査】レントゲン・口腔内写真・歯型などを採取し、詳細な診断データを取得します(60分44,000円)。
- 【診断・治療計画のご説明】検査結果をもとに、装置の種類・治療期間・費用の詳細をご説明します。(30分費用はかかりません)
- 【治療開始】歯磨きのチェック、装置の型どり等(60分)
- 【矯正装置の装着】(60〜90分)
- 【矯正装置の調整】(約4〜8週間ごと)装置の調整・歯の動きの確認を行います。
- 【保定期間】装置を外した後は、歯が後戻りしないようにリテーナー(保定装置)を使用する期間があります。
よくある質問
Q. 過蓋咬合は自覚症状がないと治療しなくていいですか?
自覚症状がない段階でも、顎関節や歯への慢性的な負担は少しずつ進行しています。痛みや問題が出てから治療するより、早期に改善することで歯や顎関節を長期的に守ることができます。まずはカウンセリングで状態を確認することをお勧めします。
Q. 子どもの過蓋咬合は大人になってから治せますか?
大人でも治療は可能ですが、成長期(特に小学校高学年〜中学生)のうちに治療を始めると、顎の成長を利用した矯正ができるため、比較的短期間かつ負担の少ない治療になることがあります。お子さまの噛み合わせが気になる場合は早めにご相談ください。
Q. 顎関節症の症状がある場合も矯正できますか?
顎関節症の症状がある場合は、まず顎関節の状態を精密に診査した上で治療計画を立てます。状態によっては矯正前に顎関節の治療を優先することもあります。詳しくはカウンセリングでご相談ください。
Q. 治療期間はどのくらいかかりますか?
過蓋咬合の程度・治療法によって異なりますが、一般的に1年半〜3年程度です。骨格的な問題が大きい場合はさらに期間が必要になることがあります。
「自分の噛み合わせが気になる」「顎が疲れやすい」と感じていたら、まずは無料カウンセリングでご確認ください。
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